
◎「申し訳ありません」
100キロ級井上康生選手.
敗者復活戦でも敗れた後,インタビューの第一声.
◎「イェーイ!勝ちました」
柔道100キロ超級で優勝した鈴木桂治選手.
日本で応援している皆さんに一言,と聞かれて.
日本選手の好成績の理由を,上の二人の言葉に見ることができる.
「申し訳ありません」を日本選手の口から聞くのは久しぶりだが,
昔はよく聞いた.
一方,感謝の気持ちを「やった!」と表現した鈴木選手の一言は,
自分が主役という気持ちがとても新鮮に感じた.過去何度も「こ
こ一番に弱い,力が出せない」と言われた日本選手の姿は今回あ
まり見られないが,こういう発言にその理由があるような気がする.
井上選手が敗れたのは,対戦相手が徹底的に彼を研究したことが
大きいと思う.これを乗り越えるために,井上選手にプラスアル
ファがあったら随分違っただろうと思う.シドニー大会の時には
それがあった.
シドニーで優勝した時,彼は表彰台でお母さんの遺影を掲げた.
プライベートな,自分のための勝利を求めたその姿は,恐らく今
回の井上選手が持つことのできなかったものだろう.
「誰が取れなくても彼だけは金メダル」と言われ,井上選手は日
本選手団の主将にも選ばれた.過去主将になった3人の柔道選手
は皆優勝している.
勝負の前,誰もがプレッシャーを負っている.勝てと言われたに
等しいプレッシャーは,あまりプラスにはならないことが多い.
反対に,自分が勝ちたい,負ければ悔しいというプレッシャーは
プラスの力を持つことができる.
今回の日本選手はそれを味方につけることができたから,練習で
蓄えてきた力を発揮できているのだろう.他人のために自分を追
いつめるのは,敵を一人ふやすに等しい.やはり敵は少ない方が
いいと思う.
posted by Globe at 11:31
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